録音テープに記録された側近大幹部との密談内容
「これから痛めつける。今あいつ(妙観講大草講頭)一人を狙っているんだ」
「刑事罰を恐れて闘いはできぬ。皆で罰金払えばいい」
「本当にあんな悪人は命根を絶たなければ。命根断絶だ。」
ここに一本の録音テープと、その反訳(はんやく)書がある。これは二十数年前の裁判で、証拠資料として提出された、顕正会会長・浅井昭衛と側近幹部との密談を録音したとされるものである。
当時は、裁判の争点と関係がなかったため、その内容に立ち入ることはなかったが、今般、顕正会と妙観講との間に訴訟が持ち上がっていることに鑑(かんが)み、本紙編集部が初めて録音内容を確認したところ、驚愕(きょうがく)の会話が記録されていた。
なんと、顕正会において、妙観講講頭一人をつけ狙(ねら)い、刑事事件となることも覚悟で集団暴行しようと企てていたことや、場合によっては殺害しなくては収まらない、等の相談がなされていたのだ。
そもそも、この録音テープは、今から二十四年前、「創価学会主任」を自称する宗教ゴロのU(故人)が、日顯上人と理境坊御住職・妙観講講頭らによって電話盗聴された、などという与太(よた)話をもとに裁判を起こし、その裁判の過程で、盗聴が行なわれた証拠の一つとして、反訳書と共に提出されたものである。
その裁判自体は、日顯上人はじめ理境坊御住職、妙観講講頭らが盗聴に関与したなどとは認められない、として、とうの昔に終結しており、問題の顕正会・浅井昭衛と側近の密談を録音したとされるテープも、特に裁判の争点となることなく、そのまま過ぎ去っていった。
だが、去る令和元年八月二十七日の顕正会総幹部会の席上、浅井昭衛が学会の怪文書情報を丸呑みにして、
「大草は阿部日顕(上人)と相計って、三年にわたり五件もの電話盗聴という犯罪行為を犯している。しかし日顕(上人)はこの犯罪行為を知りながら、大草を大講頭に任命している。日顕(上人)にとって、大草妙観講はまたとなき使い勝手の良い謀略部隊・秘密警察だったのでしょう」
などと発言し、これが『顕正新聞』に載ったことから、妙観講および大草講頭から名誉毀損で訴えられるという事件になった(既報のごとく、この裁判で顕正会は、一審で敗訴して損害賠償を命ぜられ、九月十三日、浅井宅に強制執行・現金差し押さえが行なわれた)。
そして、この裁判の中で、顕正会側は、かつてのUらの裁判等を通じて、浅井昭衛と側近の会話が盗聴されたことを認識していた、との主張を出してきた。
むろん、浅井らが盗聴されていようといまいと我々の預かり知る話ではないが、録音テープに記録された浅井の会話とは、いったいどのようなものだったのか、また、それを前々から知っていたというなら、なぜ浅井らは今まで訴えを起こして事件化しようとしなかったのか、という疑問から、このたび本紙編集部と妙観講法務部とで、過去の裁判資料の中から、浅井昭衛と側近の会話を録音したテープおよび反訳書を捜し、初めて内容を確認したという次第である。
その結果、明らかになったのは、この内容はまさに浅井昭衛と側近・加藤礼子との密談であり、当時、とんでもない計画が進められつつあった、という事実である。
以下、反訳書から抜粋する。
「浅井 これからも告訴がおきるだろうね。こっちが痛めつけるからね、これからは。」
「浅井 陰に隠れてね、今、あいつ(※大草講頭のこと)一人を狙っているんだ。
加藤 そうですよね。
浅井 何というかな、そういう刑事事件起こるだろうね。」
「浅井 そんなことを恐れていたら、闘いはできないから。
加藤 はい。
浅井 そんなものね、皆、一人数万円の罰金を払えばいいんです。最悪の場合ね。
加藤 そうですよね。」
「浅井 皆、男子部は罰金払ってもいいから、ぶん殴りたいって、そう言ってるよ。自分で罰金を払いますからって。
加藤 ホントです。はははは。
浅井 虫が収まらないんだって。
加藤 ホントですよね。」
「浅井 あんな悪人は本当に命根を断たなきゃね。
加藤 そうです。
浅井 命根断絶だ。
加藤 はい、本当です。息の根を止めなきゃ。」
これでは「集団暴行計画」「殺害容認」ではないか!
やっぱり浅井昭衛は宗教者失格の大悪人だ
この密談が録音されたとされる平成元年二月当時といえば、浅井昭衛が自慢としていた国立戒壇・天母山戒壇論が、妙観講・大草講頭の『摧破異流義考』によって木っ端微塵に破折され、反論するも、さらに『続・摧破異流義考』をもって粉砕され、悔し紛れに妙観講本部を六十人で襲撃するという事件まで起こした、まさにその真っ最中のことである。
もはや法義で勝ち目のなくなった顕正会では、さらに、刑事事件となることも覚悟で、大草講頭一人を狙った集団暴行を企てていたのだ。
しかも、顕正会の絶対的指導者である浅井昭衛自身が、組織的に暴行を行なっても罰金を払えば済む、と黙認しているばかりか、側近との密談の中では、「命根を断つ=殺害する」「息の根を止める」などと笑いながら発言しており、場合によっては殺害も容認することを窺(うかが)わせている。
これでは、「私達の会話が盗聴されました」などといって、訴訟を起こすことなどできるわけがない。そんなことをすれば、証拠調べとして、この録音テープの内容に焦点が当たることになってしまう。顕正会がこれを表沙汰にできなかった理由が、ようやく、本紙編集部にも納得できた次第である。
それにしても、大草講頭を襲撃する企てが頓挫し、立ち消えとなったことは幸いであったが、このテープに録音された浅井昭衛の言葉から思い出されるのは、オウム真理教によって起こされた坂本弁護士一家殺害事件である。
狂気に取り憑かれた教祖のもと、狂信的な信者が邪魔な人間を殺害してしまうという、カルト教団の恐ろしさ―。この浅井昭衛と側近の密談は、まさに、それと軌を一にしているように思えてならない。
近年に多発した、顕正会員による監禁・強要・暴行等の事件も、所詮は教祖・浅井昭衛の体質が会内に伝播(でんぱ)浸透したために起こったもの、と考えられよう。
我々は、かかる異常団体の危険性を認識すると共に、そこに所属する人々に対し、一日も早い覚醒を促していかねばなるまい。
(『慧妙』令和3年11月16日号より転載)